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海外駐在員時代の思い出等

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トルコ、アルメニア国交樹立協定

Posted by japansmallpotatoes : 10月 17, 2009

アルメニアトルコとアルメニアが国交樹立協定に署名したとの新聞報道を読み喜んでいます。アルメニアには行った事は有りませんが、テヘラン駐在時代の宿舎の大家がアルメニア人で、大変お世話になりました。仕事の上でも、イラン、トルコ、レバノン、フランスのアルメニア系のお客と、色々と縁が有りました。

日本では、アルメニア、アルメニア人については、ほとんど知られていませんが、旧約聖書創世記の大洪水の後、ノアの方舟が流れ着いたのが、アルメニアのアララット山(アルメニア、トルコ、イランの国境付近にある5000メートル級の、富士山の様な優美なコニーデ型の山です。現在はトルコ領に編入されている。1972年に初めてイラン側から見た時には、伝説の山を望み感動した事を覚えています。)聖書の言い伝えが本当なら、もしかしてアルメニア人は人類の第二の祖先ノアの直系の子孫かも知れません。手元の吉川弘文館出版の「世界史地図」(筆者の愛読書、海外駐在員必携と思います。)によれば、紀元前6世紀頃からアルメニアの名前が出現し、紀元前1世紀に大アルメニアと発展した古い歴史を持つ民族です。世界で一番早くキリスト教を国教としたという点でも知られています。余談ですが古いという話では、イランのパーティーでアッシリア人(シリア人ではない)ですと自己紹介を受けた時には、あの高校世界史で習ったアッシリア人(「世界史地図」ではアッシリア王国は紀元前10世紀頃)が、未だ生き残っていたのかと驚いた事が有ります。

 アララット山アルメニア人は格闘技が得意で、欧州ではアルメニア系のレスリング、ボクシング選手が知られている様です。日本でもK-1のドラゴ選手が知られています。芸術の方でも有名で、指揮者のカラヤン、高校音楽で習った「剣の舞」の作曲家ハチャトリアン、シャンソン歌手のシャルル・アズナブール(本名アズナブーリアン)が良く知られています。アルメニア人の名前が特徴的で、ほとんどの人の姓の末尾が”-ian”で終わります。上記3名以外にも、知り合いの名前を上げると、アガヤン、アレキサンドリアン、ペトロシアン、ダブディアン等が有ります。他にも、シンガポールのラッフルズホテルの創設者がアルメニア人、或いはインドのタージマハールの建設者の多くがアルメニア人の石工で有ったという事を、以前旅行ガイドで読んだ事が有ります。

 
アルメニア人が、かくも世界中に散らばった原因に隣国トルコとイランが大きく関わっています。17世紀頃のイランのサファビ朝のシャーアッバス(アッバス大王)が、10万人程の大量の商人や職人の専門家集団のアルメニア人を首都のイスファハンに呼び寄せたとの事です。テヘランで知り合ったアルメニア人のほとんどは、この集団移民の子孫でした。彼らは、イラン人のイスラム教、アルメニア人のキリスト教と宗教は異なるものの、数百年間もお互いの存在を認め合って暮らしている様子で、イラン滞在中両者の人種の違いによる深刻な摩擦を感じたことは有りませんでした。 問題はトルコとの関係ですが、第一次大戦中のオスマントルコの時代に、アルメニア側の言い分で100万人以上のアルメニア人が虐殺され、多くのアルメニア人が国外へ脱出した歴史を持っています。ちょうど日本と中国の南京事件と同じ構図で、事件の背景、犠牲者の数の違いを両国で100年間言い争いしています。
 
この度ようやく国交樹立に向けた前向きな動きが出てきた事に対して、両国サイドに知り合いを持つ身として、素直に喜んでいます。国内手続きに、まだまだ時間が掛かる由ですが、何とか大きなトラブル無しで、国交樹立が出来る様に祈っています。

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